文章≒その人の能力
文章の書き方を見ればその人の性格や能力がなんとなく見えてきます。そのような経験はありませんか?
大きな仕事をするとき、殆どの場合は多くの人が関わっています。そのような場合、文章力のあるなしが仕事の成功失敗に大きく関わると言っても過言では無いと思います。なぜならば、文章というのは大人数の脳内をリンクするために一番重要なツールであるからです。
今回は以下の報告文章を例に説明していきます。
「タスクAにおいて、担当者の技量不足によるものと思われる非常に大きな作業効率ロスを発生させてしまった。ドミノ倒しのように後続タスクが遅延してしまい、最終的には5日の遅延が発生した。この状態が続くと9日の遅延になると思われ、リスケジュールが必要になる。また、成果物の品質が悪く、この点についても対策が必要でリスケジュールが必要。」
この報告文章を改善していきましょう。
文章を書く際のポイントは以下の4つです。
①結論から始める
②簡潔に書く
③事実・推測・意見を分ける
④マイナス表現を言い換える
①結論から始める
まずは結論を最初に書きます。
この際、推測は入れないようにしましょう。
この例の場合だと、伝えたい事実は以下2点ですね。
・5日の遅延が発生した
・成果物の品質が悪い
②簡潔に書く
無駄な修飾語は削ります。
「少し」「非常に」などの程度を表す形容詞は基本的に使わないようにします。
曖昧な形容詞は使わないようにし、実際の数値等の事実を記載しましょう。
数字がわからないならば、形容詞は使わないほうが良いです。
この例だと、「非常に大きな」や「ドミノ倒しのように」は無駄なので削ります。
③事実・推測・意見を分ける
基本的に事実のみ記載します。
推測は記載する必要は無いがどうしても書いておきたいならば、それが推測であることがわかるように記載しましょう。また、推測するなら事実を確認しましょう。
意見は基本的には事実の記載したあとに最後に記載するのがシンプルでわかりやすいです。
この例だと、
「5日の遅延」「成果物品質が悪い」→事実
「9日の遅延」「担当者の技量不足」→推測
「リスケジュールが必要」→意見
となります。
④マイナス表現を言い換える
これは必ずしも必要ではないですが、余裕があれば実践してみる価値はあります。マイナス表現の単語を無くすことで読み手の印象を少しでも良くしようというものです。
マイナスな表現の代表は「悪い」「不正」「漏れ」などなど、文字面だけでマイナス面が強調されてしまう言葉です。
この例だと、
「担当者の技量不足」は「担当者の技量に改善の余地がある」
「品質が悪い」は「品質が基準を満たさない」
などと言い換えることができます。
Before/After
以上4点を踏まえると、今回の例は以下のように書き換えることができます。
Before
「タスクAにおいて、担当者の技量不足によるものと思われる非常に大きな作業効率ロスを発生させてしまった。ドミノ倒しのように後続タスクが遅延してしまい、最終的には5日の遅延が発生した。この状態が続くと9日の遅延になると思われ、リスケジュールが必要になる。また、成果物の品質が悪く、この点についても対策が必要でリスケジュールが必要。」
After
「タスクAにおいて、5日の遅延発生。また、成果物の品質が基準を満たさないことがわかった。それらの原因としては、担当者の技量に改善の余地があったため作業効率ロスが発生したと推測しているが現在事実関係確認中。以上より品質の再点検を行う必要があり、リスケジュールが必要だと考える。」